喪服を着た初めての葬儀はつらかったです。

大学を出た後に、成人したことを機に、大人になったのだからと冠婚葬祭用に喪服を購入しました。喪服を購入しても、お葬式に出かけるのはあまりいいことと思えないのですが、私にも初めて、会社の人のご家族に不幸があったと、出かけることになりました。そこで、母に持ち物として数珠とハンカチ、それを入れる小さな黒いバッグを持たされ、会社で集合をし、香典を会社一同でまとめてもらい、お葬式の会場に伺いました。会場はその方のお宅でした。

小雨が降ったり、止んだりのお天気だったのですが、玄関に入るまでのアプローチに石が敷いてあって、そこに数人の人が正座をしておられました。お宅を訪問する喪服の人たちすべてに頭を下げておられ、そばには小学生かな?と思うくらいの小さな子供も、そこに座っていて、お葬式ってこういうものなのかな?と無知だった私は思いながら参列をしました。お焼香も終わったあと、会社に戻る車の中で、私は何気なく「外に座っておられた方たち、どうして石の上に座っておられたんですか?寒かったでしょうね。小さな子供もいてたんですけど。」とつぶやきましたら、一緒に乗っていた上司が教えてくれました。どうやら、交通事故でおじいちゃんが亡くなられたようで、その事故を起こした側の家族がお葬式に参列することができず、外に座って頭を下げておられたというのです。と、いうことは、あの子供は加害者の家族である子供で、何のことが理解することなく、座っていたということになります。

知らずに見た光景だったのですが、初めての葬儀で、とてもショックでした。お葬式って、病気などで亡くなってしまうことのように勝手に思っていたのですが、事故の場合は加害者と被害者の立場の人がそこにはいて、とても重い空気が流れていることになるんです。当然、加害者側に責任があるのですが、きっと当事者は拘留されていただろうと思うので、覚えているのは、なんとなく家族でありそうな数人がズラッと並んでおられた光景です。被害者の家族がそこに並んで座っていろ、となど言っておられないと思うのですが、きっと、いたたまれなくて、外で座っておられたんでしょう。心の中にスッと細く、長い針を打たれたような、寒々しい情景が、もう何十年もたっているのに、今でも覚えているのです。その後、数回、お葬式に参列することがありましたが、病気で旅立たれた場合が多く、あの日のような寒々しい思いをすることはありません。初めてで、ショックだった経験を記しました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です